正直言って、コロナ禍の中、公開される映画が少なくて、”消去法”で見に行った映画。
全然期待していなかったのは、”お涙頂戴”の映画が嫌いって、それだけなんです。
予告編を見た感想は、「黒人女性が奴隷生活から逃亡、やがて幸せを掴む」そういう映画だと思ってたんですね。
もちろん、「ハリエット」が実在の人物とは全く知らず、恥ずかしい限りです。
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「ハリエットは闘う映画」
結局、予告編では、逃げるところしか表現されていないんですよね。
だから、映画を見てて、冒頭に逃亡が成功するんで、”まだ先があるのか?”という印象でした。
ところがどっこい、ここからが本番。
なんと、逃亡した先に戻って家族や他の黒人達を次々に開放していくんですね。
もちろん命がけです。
もちろん、史実を知っていれば、展開は読めていたんでしょうけど・・・
アクションは無いけれどハラハラさせる展開
スパイ映画や戦争映画のように派手なアクションはありません。
なのですが、主人公が、小さな女性です。
もし、”開放活動がバレたら?”というハラハラ・ドキドキ感がうまく演出されていて十分楽しめます。
救出した黒人達を逃がした後、敢えて自分は残り、過去の主人と対決するところなんて、”止めとけばいいのに”と観客に思わせるところが上手いですね。
小さな女性の強い意志というのが良く表現されていると思います。
まだ先が見たかった!
史実を知っていれば当然、彼女が戦士であることは周知の事実。
この映画は一人の女性が戦士になるところまでが描かれているのですが、個人的には、”その先”も見たかったです。
もう少し「ハリエット」が活躍しているところを見れていれば★5だったなぁ。
昔「パトリオット」というアメリカ独立戦争を描いた作品があったんですが、これも”初勝利”で終わるんですよね。
似たような”先が見たい”という印象でした。
タイミングの良い公開だった
当然と言えば当然ですが、
この映画の題材は「黒人差別問題」にあります。
タイミングが良いというのは、「ハリエット」の公開時点で、アメリカで「白人警官による黒人暴行死」事件が発生「BLAKE LIVES MATTER」運動が活発に行われている時でした。
この映画を見て、アメリカの人種問題について改めて考えてみるのもよろしいのではないかと思います。