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低予算のインディペンデント映画、いわゆるB級映画なのに大ヒット!
余計なワイドショーネタまで披露して、社会現象まで巻き起こしているのが「カメラを止めるな!」です。
「面白い」「今年最高!」の声を聞く反面「前半40分はつまらない」と「後半が盛り上がる」といった評価も聞こえてきます。
さて、本当のところは?
ネタバレの無い範囲で、この映画の面白さと”辛さ”を書いてみます。
キャッチコピーに「2度はじまる」とあるように、前半と後半は”流れ”が全然違います。
前半は、ゾンビ映画そのものなんですが、後半は???というのがこの映画の面白いところ。
タイトルの「カメラを止めるな!」の本当の意味も、最後まで見ないと判らないんですよ。
なので、前半で劇場を出る人が多いというのを聞いて、”もったいないなぁ”と思ってしまいます。
さて、この映画、なぜ”前半で劇場を出る人が多い”のか?
この理由は、実際に見てから判ったんですが、”面白くないから出るのではない”んですよね。
”気分が悪くなる人が多い”んですよ。
これは、この手のゾンビ映画だから気分が悪くなるわけではないんです。
画面の動きのせいなんですよね。
前半は、前編、ハンドカメラ、すなわちカメラスタンドを使わず、手に持ったまま撮影されています。
その状態で、パンしたり、ズームしたり、走ったり、と、カメラが動きを見せるので、画面がかなり揺れるんですよね。
これを映画館のような暗い部屋でジッと見ていると、車や船などで酔ったときと同じ状態になって具合が悪くなってしまうんです。
これは、そのような具合が悪くなる人はなるし、平気な人は平気なので、途中で出る人は、マジで具合が悪くなった人でないないか?と考えられます。
なぜ、そのように思うか?
前半部分も面白かったし、自分も相当具合が悪くなったからなんです。
この「画面が揺れて具合が悪くなる現象」見ている最中に”何故か”にすぐ思いつきました。
過去に「クローバーフィールド」という映画が、全く同じ手法で撮られていたんです。
この映画は、公開時に「気分が悪くなる場合があります」とか「具合が悪くなったらしばらく目を閉じてください」などの注意書きがありました。
映画見て気分が悪くなんてあるかいな?とナメてたら、マジで具合が悪くなって、フラフラで映画館を出たのを思い出しました。
僕の場合、「カメラを止めるな!」で”もうダメ”というギリギリのタイミングで後半になったので、まぁ、助かったと思います。
欲を言うなら、具合が悪くなる前に後半になってほしかったなぁ・・と思うところです。
想像するに、普通の人があの画面に耐えられる時間っていうのは、製作者が相当に悩んでいたところでしょうね。
40分なら耐えられるとか、これ以上は無理とか・・・葛藤があったでしょうね。
しかし、前半40分がなければ後半は楽しめない。
細かいオチがたくさん用意されていて、揺れる画面を我慢してじっくりみなければ後半が楽しめません。
これはある意味、観客に努力を促す映画です。
酔い止めの薬を飲んで、しっかり望んで欲しいと思います。
とても面白い映画なのですが、僕は40分耐え切れず、具合が悪くなってしまったので、★は3つです。
なんともなく楽しめた方、すいません。
クローバーフィールド
パーティを撮影している最中に事件が発生したので、そのカメラを使って、撮影を続ける・・・というストーリー。
個人所有の市販のカメラでパーティ会場を手持ちで撮影して、そのままの映像が続行されるもんだから画面は揺れるし、画質も悪い。
おまけに、自由の女神の頭がぶっ飛んできたり、怪物が出たら、いきなりそっちの方でカメラを振るので、画面が突然流れる。
これが最後まで続くので、耐えられない・・・のですが、”怪物の正体”が知りたいので、意地で最後まで見ました。
その後、一日中具合悪かったです。
酔い止めを飲んでから、みてくださいね。
低予算のインディペンデント映画、B級映画と言えば・・
低予算のインディペンデント映画、いわゆるB級映画でも面白いと言えば真っ先に思い浮かぶのが、「ソウ 」ですね。
出演人物が極端に少ない、撮影は、1部屋の中のみという、なんとも予算のかかっていない映画なのですが、これが面白い!
予想もつかないラストで度肝を抜きました。
映画は大ヒットで、その後、続々と続編が登場しました。
もう一つ、特筆するべきは、「キューブ (字幕版)」ですね。
こちらも、セットといえば、立方体の部屋が何部屋かあるだけ、出演者が少ないのも共通です。
また、突然、どこか判らない部屋に閉じ込められた人達が協力して脱出を試みるという設定も同じです。
こういった映画は、脚本が命と言えるでしょうね。
どんな映画も脚本は大事ですが、脚本と演技だけで見せる映画は本当にがんばってると感じさせてくれます。
ワンショット(ノーカット)の映画
「カメラを止めるな!」の前半部分は、ワンショットとかノーカットとか呼ばれている撮影方法です。
使うカメラは1台だけ。一度撮影を始めたら最後までカメラを止めず、ずっと取りっぱなしという方法で、リアルタイムでストーリーが進行して編集も全くなしのぶっつけ本番です。
途中で一度でも失敗すると最初からやり直しというとてもリスキーな撮影方法で、「カメラを止めるな!」のように、生放送でやるとなるとキャストもスタッフも相当な覚悟が必要だと思われます。
「かめらを止めるな!」の場合は前半部分だけなんですが、これを全編でやってしまった映画もあります。
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」という、撮影方法も不思議なのですが、ストーリーもとっても不思議な映画です。
正直、初めて見たときは”スゲー!”と思ったものですが、どこか継ぎ目があって、巧妙にその継ぎ目が隠されているのかもしれません。
まぁ、”良くできてるなぁ”とは思うので、こちもぜひごらんください。